妻時々愛人

「ここに写ってるのが陽子、あなたよ」



佳苗はそう言って、エコー写真に写された小さな物体を指差した。



「―――こんなに小さかったのにねえ」



佳苗がクスッと笑う。






―――陽子はジッと写真を眺めていた。




「パパもママも早く子供が欲しかったから、あなたが出来たとき、本当に嬉しかった」



宮野と佳苗は顔を見合せて微笑んだ。







「パパと話合ったんだけどね・・・」



佳苗の言葉に、陽子は顔をあげた。



< 100 / 114 >

この作品をシェア

pagetop