妻時々愛人


―――それより二日前の話。






理穂は、佳苗の働くスーパーの前に立っていた。



ガラス越しに、レジ打ちをする佳苗の姿が見える。



理穂は意を決したように店内へ足を踏み入れた。



「いらっしゃいま・・・」



―――にこやかだった佳苗の顔が固まる。



理穂は、小さく頭を下げた。



「話があるんです」



佳苗は時計を見た後、



「・・・もうすぐ休憩時間だからちょっと待ってて」


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