妻時々愛人
思い
会社から出て来た宮野を見つけて、佳苗は持っていたコーヒーを置いた。
何やら急いでいるようだ。
道路をこちらへ渡ってくる。
あの人、私に気付いたのかしら?
佳苗は一瞬そう思ったが、すぐに違うと分かった。
宮野がタクシーに乗り込んだからだ。
佳苗は慌てて会計を済ませると、おつりも受け取らず店を飛び出した。
「お願い!」
突然乗り込んできた佳苗にそう言われ、タクシーの運転手は目を丸くした。
「今出ていったタクシー追って!」
「何?あんた探偵さん?」
「いいから!気付かれないようにお願い」
運転手はため息をついて、
「変な事に巻き込まないでくださいよー」
と、走り始めた。
・・・ねぇ、あなた。
一体どこに行くの?
家はこっちじゃないでしょ?
―――どのくらい走っただろうか。
宮野が乗るタクシーが止まった。
「手前の角を曲がって」
佳苗は宮野にバレないように少し離れた場所でタクシーを降りた。
何やら急いでいるようだ。
道路をこちらへ渡ってくる。
あの人、私に気付いたのかしら?
佳苗は一瞬そう思ったが、すぐに違うと分かった。
宮野がタクシーに乗り込んだからだ。
佳苗は慌てて会計を済ませると、おつりも受け取らず店を飛び出した。
「お願い!」
突然乗り込んできた佳苗にそう言われ、タクシーの運転手は目を丸くした。
「今出ていったタクシー追って!」
「何?あんた探偵さん?」
「いいから!気付かれないようにお願い」
運転手はため息をついて、
「変な事に巻き込まないでくださいよー」
と、走り始めた。
・・・ねぇ、あなた。
一体どこに行くの?
家はこっちじゃないでしょ?
―――どのくらい走っただろうか。
宮野が乗るタクシーが止まった。
「手前の角を曲がって」
佳苗は宮野にバレないように少し離れた場所でタクシーを降りた。