妻時々愛人
全ては偶然――。



理穂は人混みの中に宮野の姿を見つけた。


思わず笑みが溢れる。


「礼二さ・・・」


言葉は最後まで続かなかった。


―――宮野の横に女がいたからだ。


理穂には、それが誰かすぐに分かった。


宮野の妻、佳苗だ。


理穂の笑みはいつの間にか消えていた。


―――どうして?


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