妻時々愛人

理穂は自分でも気付かぬうちに、二人の後を追っていた。


人混みのせいで、宮野は全く気付かない。


―――どうして、あの人は結婚してるんだろう。



どうして、奥さんよりも先に出会えなかったんだろう。


結婚って何?


たかが紙一枚の関係でしょ?


愛してるのは私のほうよね?


理穂の頭の中はぐちゃぐちゃだった。


携帯を取り出して、メールを打ち始める。



【今すぐ逢いたい】



―――ねぇ、もちろん私を優先してくれるよね?



理穂は送信ボタンを押した。
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