妻時々愛人
―――


結局、昨日は使うことが出来ずに学校へ持ってきてしまった。


「陽子、おはよう」


真澄が笑顔で駆け寄ってくる。


「・・おはよう」


陽子の元気ない様子に、真澄は首を傾げた。


「どうしたの?暗いじゃん」


「―――全部真澄のせいだよ」


陽子はうらめしそうに真澄を睨んだ。



「なんで?あたし何かしたっけ?」


真澄は考え込んだが、さっぱり分からない。


陽子はため息をついて事情を話し始めた。



「――そうだったんだ」



真澄は申し訳なさそうに、



「冗談だったんだけど・・、ごめんね。―――生理遅れてるの?」


「うん」



「大丈夫だって。陽子生理不順なんでしょ?そのうちくるよ」



「・・・」


「――じゃあさ、放課後学校で試そうよ」


真澄の言葉に、陽子は顔を上げた。


「あたしが一緒にいてあげる」


「・・ほんと?」



「まかせなさい」


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