妻時々愛人
「理穂・・・どうしてここに?」
宮野の問いに、理穂はなんとか口を開いた。
「う・・うちの弟が、娘さんを妊娠させたって聞いて・・」
「あなたの弟・・?」
佳苗は目を見開いた。
「あなたの弟がうちの娘を?」
理穂の後ろでうつ向いていた斗真は、佳苗の視線を感じて顔を上げた。
「よ・・陽子さんの事、すみませんでした!」
斗真の目は赤く充血していた。
「俺、学校やめて働きます!―――陽子さんと結婚させてください!」