妻時々愛人

二人はテーブルをはさんで向き合っていた。



「・・・話って?」



「―――」



宮野は視線を落とした。



「何から話そうか・・・」


必死に頭の中を整理しようとするが、なかなかそうはいかない。



佳苗はそんな宮野を静かに見つめていた。



「・・・」



「・・・」



長い沈黙の後、宮野は口を開いた。



「俺は・・・俺にはお前が必要なんだ」


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