崩れる絆
✩✩離婚に向けて
彼は、
「出掛けてくる」
と、言って出て行った。
私は、純夏さんに連絡をして
話をした。
純夏さんは、私が泣いていないのに
泣いてくれた。
色々考えたが
私は、自分自身の中で決断できた。
それからの私は、
不動産屋に行き部屋を借り
引っ越しの手配をして
両親に連絡をした。
父と母は、びっくりしていたが
内容を話すと
父は、彼に呆れていたが
母は、「帰っておいで」
と、言ってくれた。
だが、私はやっと入れた市役所を
辞めたくないし
純夏さんとも
まだ一緒に働いていたかったから
両親にその事を話した。
純夏さんには
次の日は、お休みして
引っ越しすることを連絡した。
その夜、寛が帰ってきて
夕飯後に私は話をきりだした。
「彩さんは、落ち着きましたか?」
と、言うと
彼は、びっくりして
「なっ、何を言ってる?」
と、言うが
今更とも思い·····
「もういいですから
わかっていますから
ただ、私は貴方と離婚をしたいと
思っています。」
「なに!!なんで?
離婚なんて、何を言ってるんだ!
俺はやましいことはしていない
それに離婚なんて体裁が悪い。」
「貴方の体裁とか
やましくないとか、やましいとか
私には、関係ありません。
あなたは貴方の好きなように
生きて下さい。
そして・・・
私にも好きに生きる
権利があります。」
「なっ、なにを
俺は、お前と離婚するつもりなはい。」
「ここ半年黙って見ていました。
始めは数時間の外出から
土曜日ほぼ一日になり
それから、土・日の両日になり・・・
そんなに気になるなら
彩さんの力になってあげたら
いいのでは?
私は、ただ・・・」
「ただ、なんだ?」
「20年以上連れ添った妻が
病気をして、辛い思いをしていても
彩さんの側に
いかないといけない
行きたいと思うと言うことは
わかりますよね?
貴方にとって、どちらが大事なのか。
ただ、それが良くわかっただけです。」
と、言うと
寛は、はっと言う顔をした。
「私が寝ていたから、
わからないとでも?」
「‥‥‥だ‥‥が‥‥‥直ぐに戻った。」
「もう、やめましょう。
あの日、私のお昼ご飯も
夕飯も、純夏さんが
買ってきてくれて食べさせてくれました。
着替もさせてくれて
シーツまで変えてくれました。
そのとき‥‥あなたは?
彩さんの元にいましたよね。
私は明日、ここをでます。
置いてあるものは
私には必要ないものですので
廃棄をしてください。」
「····勝手なことを!
親っ、親にはなんと?!」
「貴方の方が随分勝手だと
思いますが。
私の両親には、私から話しました。
貴方のご両親には
貴方から話して下さい。」
「自分の両親には話したのか?」
「はい。二人とも
びっくりしていましたが
帰って来るように
言ってくれました。」
「・・・そうか」
と、彼が話しているときに
彼の携帯がなり
私は離れて荷物の整理をした。
20年もいれば荷物もあるなぁ
と、考えながら・・・
彼は、電話が終わり
話の続きをしようと
そばにやってきたが
私はもう、夫である彼を
相手にすることはなかった。