崩れる絆
5⃣
✩✩どこで間違った?
寛は、仕事に行っても
落ち着かない一日となった。
どこで、俺は間違えたんだろう
晶がなんでも
許してくれると思っていたのだろうか
頭の中をグルグルまわる。
早目に家に帰ってみる
もしかして、晶がいるかもしれない
と・・・
だが、やはり・・・
家の中は空っぽ
リビングのテーブルの上には
離婚届けや指輪が置いてあった。
そして手紙があり
内容は、淡々としていた
俺に未練はなかったのだろうか
いや・・・・・・
俺が自分の家庭より
彩さんの側にいることを
‥‥‥‥選んだんだ‥‥‥
同僚の柳を突然なくし
彩さんの憔悴ぶりは
目を見張るものがあり
俺は
「力になれることが
あれば連絡して下さい。」
と、言ってプライベートの番号を
書いて渡した。
始めは、昼休みにかかるていど
だったが・・
夜になると帰らない柳を思い
泣いてかけてくるようになった。
俺は儚げな彼女を
一人にできなくて
土曜日に外に連れ出したりしていた。
晶にもきちんと説明したら
良かったのだろうが
なんと言って良いのか
わからずにずるずると日々を
送ってしまった。
彩さんは、土曜日の夜に
帰ろうとすると
「帰らないで!」
と、言い出して
「それはできないから
また、日曜日にきます。」
と、言って帰り、
翌日の日曜日に行く
そんな日々が続いていた。