崩れる絆

✩✩葬儀


瑛士は、
モデルの仕事に向けて
何ヵ国語かをマスターした。

私も市役所勤務になれ
寛は部長になって
益々、忙しいようだった。

瑛士は、高校を卒業すると
モデルの仕事を始め
海外での修行が決まった時······

寛と同じ会社の
  友人が亡くなった。

寛は、通夜から葬儀へと
対応に追われていた。

葬儀が終わった日の夜に
寛の携帯がなった。

彼の個人用の携帯がなることは
今までなかったので
びっくりしたが
私は洗い物をそのまま続けていた。

すると寛が・・・

「出掛けてくる」
「えっ、今からですか?
   会社ですか?」
と、訊ねると彼は慌てたように
「あっ、ああ。」
そう、言いながら着替えて
出掛けて言った。

私は、お風呂に入り
瑛士と話をして
寝ることにした。

瑛士は、明日出国する。
私は、勤務を休んで見送る事に
していた。

寛は、二時間程で帰宅して
『転勤していった同僚が亡き友人に
線香をあげたいと
連絡があり一緒に行ってきた。
亡くなった友人の奥さんが
憔悴仕切っていて見ている方が辛い。』
彼にしては、珍しく良く話をした。

そのあと、彼がボツりと
「大丈夫かな?彩さんは。」
と、言った

私との結婚が決まった頃に
寛に告白していた女性の一人だ。
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