崩れる絆
3⃣

✩✩彼の外出と同僚


寛は、
昼前に出掛け、夕方に帰ってきたが
彼が、どこに行って
何をしているのか
私は訊かずにいた。

瑛士が、家から居なくなった事に
私は寂しさを感じていたからか・・
彼の行動について
疑う余地がないと
思っていたからなのか
わからない・・・


それから寛は、
土・日のどちらかに
出掛けて行くようになった。

朝出掛けて、夕方に戻ったり
昼から出掛け行き、夜に戻ったり

必ず、出掛けることが
決まる前に彼の個人電話がなる。

たまたま
隣同士に座っている時に
寛の携帯がなり声が漏れた。

それは・・・
女性の泣き声。

彼はすぐに立ちあがり
寝室へ向かった。

私は、彩さんだと思った。

彩さんは
彼・寛の結婚が決まった時
納得出来ずに、
諦め切れなかったみたいで
寛の友人(亡くなったご主人)が、
そばにいて慰めたらしい。

あの当時、寛は彩と結婚すると
思っていたな。
かなり、追い回されていたし
と、寛の同僚が冗談混じりに
話してくれた。


彼が毎週休日に出掛けていく
そんな生活が
三ヶ月程続いた。


私は、
市役所の同僚である
秋吉 純夏 (すみか)に
話を聞いてもらった。

純夏さんは、同じ年で気の会う人だ。
< 7 / 25 >

この作品をシェア

pagetop