わたしはあなたにときめいてます
「死んでもらったら…。
俺も困りますし…」

ドクン…。

「愛十(あいと)くん……」

ドクン…。

「………」

“愛十”くんと呼ばれたその男の人は

金髪で…。

ドクン…。

「愛十くん…。
それだと皆が困るんだよ…」

眉毛が少し太くて…。

ドクン……。

「ですが…」

「キャッ!!!」

真っ白な肌…。

ドクン…。

「目を見ただけでも…ダメですよ…?」

「すいません……」

鼻は大きくなく、小さくなく、丁度いいぐらいの大きさ…。

ドクン…。

「謝らないでいいですよ…?
いつもの事なので…」

唇は薄いピンク色…。

ドクン…。

「仕方がないな…。
いつも通り、愛十くん一人の撮影にしよう」

「そうですね…」

「愛十くん。
良いかな?」

「良いですよ…。
いつも通り…」

目は茶色…。

ドクン…。

彼の力強いその目が

ドクン。

わたしをとらえた。
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