わたしはあなたにときめいてます

わたしこのままだと…

彼から抜け出すためにわたしが体を動かし始めると

「動かないで…」

「どうしてですか」

この状態なのは…。

顔を彼の方に向けるとぶつかった…。

彼の鼻に…。

「おお！！！　いいねぇ…。
そのまま、そのまま…」

パシャッ。

「大人しく…。
俺に抱かれていてくれ…」

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…。

死んじゃう……。

パシャッ。

「はい。これで撮影は終わりでーす。
お疲れさまー」

「「「お疲れさまです」」」

「愛十くん、君も、お疲れさまー」

「お疲れさまです…」

「お疲れさまです」

「あの…今日はうちの英子が迷惑をおかけしてすいませんでした！！！」

「気にしないで下さい…」

「ありがとうございます！！！
あの…預かっていたバッグはここに置いておきますね」

「はい」

黒のショルダーバッグがわたしの側に置かれる。

「お疲れさまです」

「お疲れさま」

「お疲れですー」

わたし達の周りから人が居なくなっていく…。