わたしはあなたにときめいてます

「あっ、初めまして。俺は愛十のマネージャーの堀尾といいます。年は今年で30です」

30?

見えない……。

「うん…。30に見えないよね? よく言われるんだ。愛十より10も上なんだけどね。いつも愛十の方が上だと勘違いされるんだ」

って事は…この人20って事?

わたしより一つしか上じゃないじゃん!!!

てっきり吉広さんと同じくらいの年だと(吉広さんの年は27)。

「うん……。君は何才なのかな?」

「19才です」

答えないとダメだよね?

「名前は?」

「そうだ……。
名前……」

「お前…この子の名前…知らないのか?」

「ああ…。
聞くのを忘れてた……」

「忘れてたってお前……。
名前も知らない子を家に連れて来るって…あり得ないだろて」

「堀尾さん…。昔、名前も知らない女とした事あるって…」

「あり得るな。俺が悪かった。すまない」

「一緒に居たい……。
それだけしか……考えられなかった……」

ドクン。

「そうだな……。
居ない存在だと思ってたもんな……」

居ない……存在?

『お前の隣に居るのも、触れるのも大丈夫な女なんてこの世に存在しないのかもな』
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