わたしはあなたにときめいてます
「可哀想……」

「勘違いさせたみたいですね。すいません。もう、行きます」

行きたくない……。

「行くな……。
行かないでくれ……」

ドクン。

愛十がわたしの左腕を掴む。

「愛十……」

「お願いだ……。
居てくれ……」

ドクン。

愛十の声が…震えてる……。

「香澄…さん。俺からもお願いします…。
少しだけでも良いから…。愛十と居て下さい……」

堀尾さんがわたしに頭を下げる。

「分かりました」

まだ彼と居られる……。

ドクン。

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……。

『分かりました』

わたしがその言葉を口にするとすぐに愛十はわたしを抱きしめた。

強く、強く、強く。

“絶対に離さない……“彼の体全体からその感情が伝わってきた……。

だから、わたしは彼の背中を両手で

優しく、優しく、優しく。


“大丈夫……“彼にその感情が伝わるようになでた。
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