わたしはあなたにときめいてます
「いつまでわたしを抱きしめてるつもりですか」
愛十に抱きしめられてから、10分以上は経っている気がする……。
堀尾さんが居たら、引き離してもらえたのに!!!
堀尾さんはわたし逹が抱き合い始めた後すぐぐらいに
『あっ!!! 社長から電話だ!!!
今日の雑誌の撮影は13時からだから、12時に迎えに来るな!!! じゃあ!!! もしもし!!! 社長ですか?』
下手な芝居をうって、出ていってしまったのだ。
居づらかったんでしょう。
分かりますけど……。
「一生……」
「困ります」
彼のマネージャーなら、どうにかして欲しかったです……。
一生って……。
「わたし、行きませんから。だから、離」
「可哀想に見えるって……言ったよね……?」
「はい」
言ったけど、思ってないよ……。
「当たってるよ……。
多分…俺の周りに居る人逹は全員……そう思ってる……」
「全員ではないでしょ」
いくらなんでも全員は……。
「そうだね……。全員ではないかも……。
でも……堀尾さんは思ってたみたいだ……。
否定……しなかった…だろう?」
『可哀想……』