わたしはあなたにときめいてます

「逃げようと思えば…逃げられた……。親に電話かけてる最中とかに……。だけど俺は…逃げなかった……。
母さんに会いたくて……。会いたくて……たまらなくて……。
俺は迎えを待った……。
母さん…怒ってるだろうな……。でも、俺を抱きしめてくれるんだろうな……。ちゃんと謝らないと……なんて考えながら迎えを待った……。
1時間ぐらいして迎えが来た……。
母さんでも…父親でもない……。
俺の担任の先生だった……。

その時、担任の先生から聞かされた……。
母さんが……死んだ事を……。

俺のせいで死んだ事を……。

学校から俺が学校に来てないって連絡が来たんだ……。
だから母さんは俺を探しに出た……。
そして……事故に遭って……母さんは……だから……」

わたしは愛十の右手に握られた拳を両手で包む。

「あなたのせいじゃない」

「違う……。俺の……」

「愛十のせいじゃない」

わたしは愛十の目を見ると

「絶対に違うから。あなたがそう思っていようが、誰かがそう思っていようが、わたしは否定するから。あなたの父親がそれであなたを嫌ってるのも違う。あなたの父親はあなたを嫌ってない。絶対に違うから」

「絶対って……どうして言えるんだ……」

「わたしがそう思うの。あなたと長く一緒に居るわけじゃないけど、そう思うの。あなたがそう思わせるの。だから、絶対に違うの」

もし…そうだとしても、わたしはそれを否定するから……。


だってあなたは今までずっと…苦しんで来たでしょ?



だからもう……苦しまないで欲しいんだ……。
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