今宵は遣らずの雨

結局、民部に押し切られて、小夜里ははしたなく思いながらも、一緒に食して夕餉を終えた。

人の話を聞かず、思ったとおりに振るまうところが、そして周りの者についそれを許させてしまうところが、小太郎を彷彿とさせた。


いつも奇異に感じていた、自分にはない小太郎の所作は、民部のものであったのだ。

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