今宵は遣らずの雨
民部は小夜里の着物の衽を襦袢ごと跳ね除け、あらわれた乳房を大きな手のひらですっぽりと包み、荒々しくまさぐった。
たちまち、乳房の突端が硬く勃ち上がる。
「……ぅう……んっ」
思わず漏れ出た小夜里の口を、民部は吸って塞いだ。
やがて、民部のくちびるはその荒々しい手の動きとともに、小夜里の身体中を隈なく這っていく。
小夜里は居たたまれなかった。
子を一人産んだ身体には、若かったあの夜のような娘らしい線はない。
できれば見られたくなかった。
民部には、あの夜の、まだ初々しさを残した身体のままの小夜里で、覚えていてほしかった。