今宵は遣らずの雨

小夜里は一太の父親に「書よりも絵を習わせてみたらどうか」と勧めた。

そして、絵の師匠は気位が高く気難しい者が多いから、書画を(たしな)む僧であれば、子どもの扱いにも慣れていてよいのではないかと進言した。

早速、父親は知り合いの和尚に話をつけて、(せがれ)を託すことにした。

しかし、一太は小夜里の手習所にも通いたいと云った。

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