今宵は遣らずの雨

民部は小夜里の口を吸ったまま、その帯紐(おびひも)を解きはじめた。

帯が緩み、その下の紐を解くと、何の障(さわ)りもなく自由になった襟元を左右へ押し広げた。

お椀を伏せたように形の良い、民部の手のひらにすっぽり収まるほどの乳房があらわれる。

民部は小夜里の首筋から鎖骨にかけてくちびるを滑らせ、やがてその乳房の先端を捉えた。

「ぁあ……」

小夜里の口から甘い息が漏れた。

民部は小夜里の着物の裾を割って、襦袢(じゅばん)の向こうの腿に指を這わせていく。

さらに腰巻の奥の、すでにじっとりと湿っている方へとその歩みを進めていった。