今宵は遣らずの雨

民部が浴衣(ゆかた)の前を割って、下帯を解いた。

張りつめて勃ち上がったその中身を、自分の指によってじゅうぶんに潤った小夜里のその場所へ、一気に押し込んだ。

「ぅう……んっ……ああぁ……っ」

小夜里は背をしならせて、民部を迎えた。

民部が腰を動かし始める。

それは力強く突き立てるか、と思えば、突然ゆったりとねちっこい動きとなった。

そうかと思うと、また突き立てられる。

民部はじっと小夜里を見つめていた。

小夜里の昂ぶりに合わせて腰を動かしていた。

今までそんなふうに扱われたことのない小夜里に、身体(からだ)の奥底から、じわじわと淫蕩な悦びが湧き上がってくる。

自らの欲にのみ従って、さっさと行為(こと)を終えてうち果てていた、かつての夫の(さま)とは、まったく違った。

小夜里は、荒い息とせつなげな喘ぎ声とともに、怖いくらい、自分が掻き乱されていくのがわかった。

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