婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「本当に瑠璃は想像力豊かだよね。あれは結構傷ついたな」
「……はい、すみません」
またペコリと頭を下げ、玲人君の顔色を恐る恐る窺う。
「罰としてお昼奢って」
少し意地悪な顔で言うと、玲人君はポンと私の頭を軽く叩いて歩き出す。
「あっ、待って。どこに食べに行くの?」
慌てて彼を追いかけ、横に並んで歩く。
「このビルの裏に中華粥のお店がある」
「中華粥かあ。胃に優しそう」
私が病み上がりだからだな、きっと。
「財布忘れずに」
わざと厳しい顔でそんな注意をしてみせるが、実際には彼が私のランチ代も払った。
何だかんだ言っても優しいんだよね。
婚約者としてではなく、ちゃんと愛されてるって自惚れてもいいのかな?
ランチが終わって秘書室に戻った私はとってもご機嫌だった。
☆
その日の三時過ぎ、秘書室の郵便ボックスに届いた郵便物の仕分けをしていたら、おじさまと玲人君とともに八雲物産の社長が現れた。
「……はい、すみません」
またペコリと頭を下げ、玲人君の顔色を恐る恐る窺う。
「罰としてお昼奢って」
少し意地悪な顔で言うと、玲人君はポンと私の頭を軽く叩いて歩き出す。
「あっ、待って。どこに食べに行くの?」
慌てて彼を追いかけ、横に並んで歩く。
「このビルの裏に中華粥のお店がある」
「中華粥かあ。胃に優しそう」
私が病み上がりだからだな、きっと。
「財布忘れずに」
わざと厳しい顔でそんな注意をしてみせるが、実際には彼が私のランチ代も払った。
何だかんだ言っても優しいんだよね。
婚約者としてではなく、ちゃんと愛されてるって自惚れてもいいのかな?
ランチが終わって秘書室に戻った私はとってもご機嫌だった。
☆
その日の三時過ぎ、秘書室の郵便ボックスに届いた郵便物の仕分けをしていたら、おじさまと玲人君とともに八雲物産の社長が現れた。