婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
『婚約者』という言葉を嬉しく感じたのは初めてだ。
しかも、玲人君が他人にそう言うなんて……。
「あ〜、そう言えば、そうだったなあ。最近忘れっぽくてすまない。玲人君が相手ではうちの息子も勝ち目はないな」
ハハッと八雲物産の社長は笑う。
それからおじさまと玲人君と一緒に八雲物産の社長をお見送りして秘書室に戻ると、佐藤さんしかいなかった。
彼女がカタカタとキーボードを叩く音が部屋に響く。
それが余計に私を緊張させた。
彼女とはどうもうまく話せない。
途中になっていた郵便物の仕分けをして、専務の分を彼女に手渡す。
「これ専務宛です」
「どうも」
短く礼を言って、佐藤さんは仕事を続ける。
目も合わせてくれない。
溜め息をつきたいのを堪えながら自席に戻ると、「お嬢様だと偉い人と知り合えてホント羨ましいわ」と彼女に言われた。
しかも、玲人君が他人にそう言うなんて……。
「あ〜、そう言えば、そうだったなあ。最近忘れっぽくてすまない。玲人君が相手ではうちの息子も勝ち目はないな」
ハハッと八雲物産の社長は笑う。
それからおじさまと玲人君と一緒に八雲物産の社長をお見送りして秘書室に戻ると、佐藤さんしかいなかった。
彼女がカタカタとキーボードを叩く音が部屋に響く。
それが余計に私を緊張させた。
彼女とはどうもうまく話せない。
途中になっていた郵便物の仕分けをして、専務の分を彼女に手渡す。
「これ専務宛です」
「どうも」
短く礼を言って、佐藤さんは仕事を続ける。
目も合わせてくれない。
溜め息をつきたいのを堪えながら自席に戻ると、「お嬢様だと偉い人と知り合えてホント羨ましいわ」と彼女に言われた。