婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「栗田さん、途中まで一緒に帰ろう」
そう言えば、今日は用事があって定時で上がるって言ってたっけ。
「はい」
慌ててバッグを手に取り、松本さんと「お先に失礼します」と挨拶して秘書室を出る。
「今日は社食で見かけなかったけど、お昼ちゃんと食べたの?」
「はい、『三叶草』の中華粥と小籠包を」
「あっ、いいなあ。ひとりでいくわけないし……。さては副社長と行ったな?」
松本さんがニヤニヤ顔で私の顔を覗き込む。
「たまたまです。特に約束とかしてないですよ」
惚気に聞こえないように、努めて平静を装った。
「あんな美形が婚約者って羨ましいなあ。しかも御曹司で仕事出来るし」
「私は……普通の恋愛に憧れますけどね。婚約者だからって自分のことを好きとは限らないじゃないですか?」
それはついこの間まで本気で思っていたことだ。
そう言えば、今日は用事があって定時で上がるって言ってたっけ。
「はい」
慌ててバッグを手に取り、松本さんと「お先に失礼します」と挨拶して秘書室を出る。
「今日は社食で見かけなかったけど、お昼ちゃんと食べたの?」
「はい、『三叶草』の中華粥と小籠包を」
「あっ、いいなあ。ひとりでいくわけないし……。さては副社長と行ったな?」
松本さんがニヤニヤ顔で私の顔を覗き込む。
「たまたまです。特に約束とかしてないですよ」
惚気に聞こえないように、努めて平静を装った。
「あんな美形が婚約者って羨ましいなあ。しかも御曹司で仕事出来るし」
「私は……普通の恋愛に憧れますけどね。婚約者だからって自分のことを好きとは限らないじゃないですか?」
それはついこの間まで本気で思っていたことだ。