婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
7、厄介な従兄
佐藤さんの告白に胸がズキンと痛む。

なんてタイミングの悪いところに来てしまったんだろう。

こういう場面、何度か出くわしたことがある。

玲人君はいつだって無表情。

今も無表情で、彼女の告白をどう思っているのかわからない。

玲人君がなんて答えるかすごく気になるけど、怖くてこれ以上聞いてはいられない。

心臓はバクバク。

スマホは諦めて帰ろう。

踵を返してそっと立ち去ろうとしたら、小鳥遊さんがすぐ目の前にいた。

「なんで帰ろうとするの?ここからが一番いいとこなのに。逃げずに玲人がなんて答えるか聞きなよ」

どうやら彼も佐藤さんの告白を聞いていたらしい。

「でも……これは聞いちゃいけないです」

佐藤さんだって聞かれたくないはず。

私だって聞きたくない!

「ダーメ」

小鳥遊さんは、ガシッと私の腕を掴んで離してくれない。
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