婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
ああ〜、どうすればいいの?

「ほら、行くぞ」

拓海さんにずるずると引きずられ、エレベーターで一階に降りると、ビルの外に出る。

「乗れよ」

彼はタクシーを捕まえると、私の背中をトンと押した。

「いえ、私はもう帰らないと。ちゃんと帰らないと、怒られるので……」

両手を左右に振って断るも、彼は笑いながらタクシーの中に私を押し込む。

「何言ってんだ。もうお前大人だろ?誰が怒るんだよ」

「え?ちょっと、待って下さい。本当に困ります」

何とか断ろうとしたけど、拓海さんに「ちょっと付き合ってもらうだけだ」と強引にタクシーに乗せられた。

一体どこへ連れて行かれるのか?

不安で仕方がない。

だが、彼がタクシー運転手に告げたのはよく知ってる都内の高級ホテルの名前だった。
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