婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました

来たばっかりだけど、帰りたいよ〜。

「適当に頼んでいいか？」

「……お任せします」

メニュー見ても何も頼む気にはなれなくて、そう答える。

だが、自分の要望を伝えなかったことを深く後悔した。

最初にシャンパンで乾杯し、次は赤ワインが出て来た。

料理も牛フィレ肉の煮込みが出て来て、もう見てるだけでお腹いっぱい。

しかも、お酒も許容量を超え、酔ったのか身体が熱くなってきた。

「お前、食が細いな」

そんなことを言われるから、残しちゃ悪いと思い、無理矢理胃の中に入れる。

もうこの時間は拷問だった。

「女の子ってデザート好きだろ？何がいい？」

確かに好きだが、今日は気分が優れずデザートを堪能する気分じゃない。

「いえ……もうお腹いっぱいで……」