婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
お腹を押さえて断るが、「そんな遠慮しなくていい」と、拓海さんは勝手にデザートを頼む。

ワインも飲んだせいだろうか?

だんだん気分が悪くなってきた。

ホント、早くうちに帰りたい。

クレームブリュレがテーブルの目の前に置かれた時、その匂いで一気に気持ち悪くなり、吐き気がしてきた。

マズイ……。

吐きそう。

手ナプキンで口を押さえて席を立ち、トイレを探しに個室を出る。

「おい、大丈夫か?」

拓海さんの声がしたが、返事なんて出来ない。

このままだと吐いちゃう!

トイレどこ?

人に聞きたくても、すぐに吐きそうで聞けない。

視界が霞む。

もう……ダメ。

立っているのも限界で崩折れれば、誰かが私を抱き上げた。
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