婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
拓海さんには一応心配をかけちゃったし、何か言わなきゃ……。

「拓海さん、すみませ……⁉︎」

謝罪しようとする私の声を玲人君は遮った。

「病み上がりだったので、気分が悪くなったようです。彼女は僕の大事な婚約者なんで、勝手に連れ出さないでもらえますか?まあ、許可を求められても断りますけど」

周囲の空気が氷そうな程冷たい声で玲人君は忠告する。

その表情は凄く険しく、周りの空気もピリピリしていて……。

お酒で頭がボーッとしていたが、それで一気に目が醒めた。

そう言えば、このふたり仲悪かったっけ。

玲人君は昔から優等生タイプ。

拓海さんとは正反対でそりが合わない。

玲人君が拓海さんを忌み嫌っているのには、他にも理由がある。

私が十八の時、拓海さんはあるパーティでお酒を強要したのだ。

彼はかなり酔っていて、私が『未成年だから』と断ったら声を荒げた。
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