婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
玲人君にお願いするが、彼は下ろしてくれなかった。

「駄目だね。大丈夫なわけないだろ?そんな青い顔して」

玲人君は怖い顔で怒る。

だが、甘えるわけにはいかない。

「でも……玲人君は会食が」

彼の仕事が気になってそう言うと、小鳥遊さんが私を安心させるようにニコッと笑った。

「それは俺が対応するから心配ないよ。玲人、これ部屋の鍵」

小鳥遊さんが、ホテルのカードキーらしきものを玲人君に手渡す。

「ありがとうございます。あと宜しくお願いします」

玲人君は小鳥遊さんの目を見て礼を言う。

「明日の朝は社内の打合せだし、フレックスでもいい」

小鳥遊さんは、ポンと玲人君の肩を叩く。

「小鳥遊さん……迷惑かけてすみません」

凄く申し訳なくて謝ったが、彼は悪戯っぽく笑った。

「腹減ってたし、ちょうど良かったよ。ゆっくり休んで」

「はい」
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