婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「馬鹿なの?あの男が危険なのは知ってるだろ?それなのにホイホイついていって……、俺がタイミングよく現れなかったらこうやってホテルの部屋に連れ込まれてた」

私を睨みつけ、玲人君は強い口調で説教する。

「……ごめんなさい」

しゅんとなって謝ると、彼は少し表情を和らげた。

「まあ、どうせあいつに強引に押し切られたんだろうけど」

「……はい、仰る通りです。すみません」

反省して項垂れれば、突然玲人君が私の身体を包み込むように抱き締めてきた。

「ホントにわかってる?これ以上、俺を冷や冷やさせないでよ」

コツンと私の額に自分の額を当てる彼。

「……うん、ごめん。仕事だって邪魔しちゃって」

心から反省して謝ったが、私はどうやら彼が何を怒っているのか誤解していたらしい。

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