婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
9、幸せな時間
「わー、海がエメラルドブルーだよ!」

飛行機の窓から海を眺め、私は歓声を上げた。

隣のシートにいる玲人君が私に身体を寄せ、頰を緩める。

「珊瑚礁が綺麗だな。南国に来たって感じがする」

東京から直行便で約三時間半。

私と玲人君は沖縄の宮古島にやって来ました。

今はゴールデンウィークで会社はお休み。

拓海さんに連れ出されたあの夜、気分が悪くてホテルに玲人君と泊まったけど、結局まだ彼には抱かれていない。

その次の朝もついに一線越える?なんてドキドキしたのに、会社の始業時間が迫っていたせいか、『瑠璃を抱く時は、じっくり味わいたいから』と彼が余裕の表情で言ってお預けになった。

いつ彼に抱かれるんだろう?

期待と不安。

毎日ハラハラしながらその瞬間を待つが、玲人君はそんな私の様子を楽しむかのように「おやすみ」と紳士的にチュッとキスして私より先に眠る。
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