婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
自嘲するような響きを宿した彼の告白にドキッ。

とてもそんなタイプには見えない。

「嘘……」

思考がそのまま言葉になった。

「本当」

ニコッと微笑むと、彼はカブッと私の鼻を軽く噛む。

「キャッ!」と驚きの声を上げて鼻を押さえれば、彼は悪戯が成功して楽しそうに笑った。

「もう!玲人君、からかいすぎ!」

少し怒って彼の胸をトンと叩く。

「悪い。瑠璃って隙だらけだから、つい。ほら、これ日焼け止め。しっかり塗って」

玲人君はククッと笑いながら私に日焼け止めを手渡した。

プールサイドにあるビーチチェアに座り、手足に日焼け止めを塗っていく。

でも、背中は手がよく届かなくて、「あれ?あれ?」とバタついていたら、彼に笑われた。

「ひとりで塗るのは無理だよ。日焼け止め貸して」

彼に言われるまま日焼け止めを渡す。

「そこに横になって、瑠璃」
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