婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「うん」

玲人君の指示通り、ビーチチェアに寝そべった。

すると、彼がビキニトップの紐をスルスルと解いてハッとする。

「ちょっ、玲人君!」

咎めるように語気を強めると、彼は平然と言い放った。

「こうしないとちゃんと塗れない。ただでさえ瑠璃は色が白いんだ。適当に塗ったらすぐにシミが出来る」

「でも……こんなの落ち着かないよ〜」

泣き言を言えば、彼は楽しげに笑った。

「大丈夫。ここにいるには俺達だけだから」

そう言って彼は私の背中に塗っていく。

その手が冷んやりしていて、身体が思わずビクッ。

わ〜、きゃ〜!

心の中で悲鳴を上げたら、玲人君がクスッと笑った。

「瑠璃、身体がカッチカチだよ。何緊張してんの?」

「だって、人に塗ってもらうのなんて慣れてないよ」
しかもそれが玲人君なんだもん。
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