婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
まるで私で実験してるみたい。

「瑠璃にしては機転のきいた返しだね。なるほど、赤ってことは、瑠璃は酸性だったのか」

顎に手をやり、彼は真剣な顔で呟く。

そんな彼に、眉間にシワを寄せ突っ込んだ。

「……私で遊ばないでよ」

「ごめん。瑠璃が相手だと飽きなくって。次、俺に塗って」

彼が当然のように日焼け止めを手渡してきて、ギョッとした。

「ええ〜!私が塗るの?」

「他に誰が塗るの?」

彼はポーカーフェイスで聞いてくる。

……確かに誰もいない。

「……やります」

仕方なく引き受ける。

ハーッと息をついている間に、玲人君はビーチチェアに横になった。

彼はクォーターで元々肌は白いんだけど、適度に運動しているせいか綺麗に日焼けしているし、均整のとれた身体をしていてつい見惚れてしまう。

< 151 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop