婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
10、彼の囁き
「ねえ、あの赤く光ってるの何かな?」

石窯で焼いた美味しいピザを食べながら、窓の外を指差す。

「ああ、多分灯台じゃないかな」

玲人君は私が指差した方を見て言った。

プールで一時間程泳いだ後、私はホテル内にあるイタリアンのお店で夕飯を食べている。

ここは海が一望出来て、絶好のロケーション。

綺麗な夕日が海にゆっくりと沈むのも見られた。

高級リゾートのせいか周りはカップルや年配の客が多く、店内は落ち着いたムード。

ピザを食べ終えると、デザートのマンゴーパフェが来て私のテーブルの前に置かれた。

「すごい、見事にマンゴーだらけだね。頂きます」

スプーンを手に取りマンゴーの果肉を掬って口に運ぶ。

「うーん、甘くて美味しい!」

ひとり悶絶しながら再び果肉を掬うと、突然玲人君の手が伸びて来て、そのまま彼の口に……。

「確かに甘い」
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