婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
呆気に取られる私の目を見て彼がニヤリ。

「もう、食べたいなら言ってくれたらいいのに。ビックリするなあ」

そう注意したら、彼はしれっとした顔で言った。

「どんな味か急に知りたくなって」

それを言うなら“急にビックリさせたくなって”でしょう?

「もっと食べる?」

そう声をかけたら、彼は頭を振った。

「ありがと。でも、一口食べれば十分だよ。瑠璃が食べるの見てる方が面白い」

「面白いって何?」

訝しげな視線を投げれば、彼は片肘をついてクスッと笑う。

「小動物みたいに美味しそうに食べるから」

その目があまりに優しくてドキッとした。

「……もう!ペットじゃないよ」

動揺しながら小声で文句を言い、パフェを口に運ぶ。

「わかってる。瑠璃はペットじゃないけど、俺のだよ」
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