婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「だって、玲人君なら女の子、選り取り見取りじゃない?」

「それ以上お馬鹿な発言すると、ここでその口塞ぐよ。キスしてね」

玲人君が悪魔な顔で警告してきて……。

ぎゃあ!

私は慌てて自分の手で口を覆った。

この顔……。

公衆の面前だろうが、彼なら実行するに違いない。

「じゃあ、どうして?」

自分の口を塞ぎながら聞けば、彼は穏やかな顔で言った。

「瑠璃は俺にとって特別だったんだよ。小さい頃、俺のこの目を『まるで宇宙みたいに綺麗』って言ってくれて」

「たったそれだけで、婚約する気になる?」

首を傾げてもっと説明を求める。

「俺にとっては重要だった。それまでは、ずっと自分の容姿が嫌いでね。でも、瑠璃にそう言われてからは気にしなくなったんだ。瑠璃が俺を救ってくれたんだよ」

「……救っただなんて大袈裟だよ」
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