婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
何を言っていいか分からず固まる私。
「栗田さん、小鳥遊さんの邪魔はしないように」
私への玲人君の第一声はそれだった。
他人行儀なその口調。
“邪魔だから秘書なんか辞めろ”って言われているようで、落ち込んでしまう。
まともに彼の顔を見る勇気がなく、「……はい」とギュッと握った手を見つめながら小声で答えた。
「こらこら、婚約者なんだからもっと優しい言葉かけてやったら?」
小鳥遊さんが苦笑いしながら取りなそうとするが、玲人君は冷ややかだ。
「仕事に婚約者とか関係ないでしょう?それに俺は反対したんですよ」
はい、確かに仰る通りです。
食事会の時もご両親に抗議してたけど、その後も『瑠璃は身体が弱いから、フルタイムで働くのは無理だ』と、強く反対されたんだよね。
私がずるずるとここに就職してしまったのは、外の世界への憧れと、本当は彼の側にいたいって気持ちがあったからで……。
「栗田さん、小鳥遊さんの邪魔はしないように」
私への玲人君の第一声はそれだった。
他人行儀なその口調。
“邪魔だから秘書なんか辞めろ”って言われているようで、落ち込んでしまう。
まともに彼の顔を見る勇気がなく、「……はい」とギュッと握った手を見つめながら小声で答えた。
「こらこら、婚約者なんだからもっと優しい言葉かけてやったら?」
小鳥遊さんが苦笑いしながら取りなそうとするが、玲人君は冷ややかだ。
「仕事に婚約者とか関係ないでしょう?それに俺は反対したんですよ」
はい、確かに仰る通りです。
食事会の時もご両親に抗議してたけど、その後も『瑠璃は身体が弱いから、フルタイムで働くのは無理だ』と、強く反対されたんだよね。
私がずるずるとここに就職してしまったのは、外の世界への憧れと、本当は彼の側にいたいって気持ちがあったからで……。