婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「苦節二十二年。じっと待った甲斐がありました」

「瑠璃、思考がダダ漏れなんだけど。『苦節二十二年』って何?」

玲人君がククッと笑う。

「だって、玲人君は私のことなんか好きじゃないってズーッと思ってたんだよ」

「ああ。俺は瑠璃が寝てる時にいつも言ってたけどね」

え?そうなの?

「それっていつから?」

「さあ、いつからだろうな。俺の願掛けみたいになってて。『瑠璃が他の男のところに行かないように』ってね」

玲人君が蕩けるような笑みを浮かべる。

ひょっとして私がずっと夢だと思ってたのって、玲人君が本当に言った言葉なんじゃあ。

「『あんなにいっぱい愛を囁いた』って本当だったんだ」

「そう言うこと。今日はこのままベッドで過ごす?それとも、海亀と熱帯魚に餌あげに行く?」

男の色香を漂わせ、玲人君は私の頰にキスしながら私を誘惑してくる。
< 168 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop