婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
玲人君は、真剣な表情で言う。

恥ずかしいけど、こういう顔をしている時は逆らわない方が無難。

ドキドキしながらもじっとして彼がローションを塗り終わるのを待った。

「終わったよ」

彼は、ビキニトップの紐を結びながら告げる。

「ありがとう」と言って起き上がると、今度は彼は酔い止めの薬を差し出した。

「船に乗るから飲んでおいて」

「あっ、ありがと」

感心しながら薬を受け取る。

本当に彼は準備がいい。

小さい頃もよく転ぶ私のために絆創膏常備してたもんね。

薬を飲むと、ラッシュガードを着てサングラスをかけた。

船酔いもUV対策も万全だ。

ホテルの前からダイビングショップの車に二十分ほど乗って近くの港へ。

車を降りると目の前に豪華なクルーザーがあって、テンションが上がった。

しかも、空は雲ひとつない晴天。

玲人君が一緒だと雨に降られることはまずない。
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