婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「……エレベーターに乗ったら、彼が乗り込んできて、キスされそうになったの。引っ叩いて防いだけど……。玲人君があそこにいてくれて良かった」

「俺も売店に行こうと思ってエレベーターを待っていたんだ」

玲人君は私の身体を強く抱き締める。

「もう大丈夫だよ」

彼が私の耳元で優しく囁く。

「うん」

玲人君の背中に腕を回すと、その温もりに安堵しながら頷いた。





「うわあ〜、ここも絶好ロケーション」

灯台の展望台から眺める景色に、思わずうっとり。

目の前にはコバルトブルーの綺麗な海が広がっている。
「右手が太平洋、左手にあるのが東シナ海だって」

玲人君がスマホで調べた情報を口にした。

「ヘェ〜、ふたつの海を一度に見られるんだね。ねっ、あれ魚じゃない?」

キラリと光る魚影を見つけ、興奮しながら玲人君の腕を掴んだ。
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