婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました

「おっ、確かに魚だ。灯台の展望台から魚見つけられるなんて、透明度がすごいんだな」

玲人君が髪をかき上げながら海を眺める。

そんな彼がカッコよくて、思わずスマホで彼の写真をパシャ。

「日本にも海外みたいにこんな綺麗な場所があるんだね。連れて来てくれてありがとう！」

玲人君に向かって微笑むと、彼も微笑み返した。

「どういたしまして」

昨日、拓海さんとエレベーターで会った後、玲人君が「ホテル変えよう」と言って、私達は荷物をまとめてホテルを移動した。

反対する理由はなかった。

拓海さんには会いたくなかったから。

今宿泊しているのは、海辺に佇む高級ホテルのヴィラ。

コンシェルジュが二十四時間対応していて、不便はない。

昨日は拓海さんとのことを思い出して眠れないと思ったのだけど、玲人君が私をしっかりと抱き締めてくれて安心して眠れた。