婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
とても口に出しては言えないが、結婚なんてしたくない。

だって……上手くいくわけがないもん。

頭も顔も良い完璧な彼と頭も顔も平凡そのものの私とじゃ釣り合わないのだ。

釣り合いが取れてるのは、実家が金持ちという点だけ。

「やっぱり女の子ですもの。ジューンブライドがいいかしら?」

おばさまが私に目を向け可愛い乙女のようにはしゃぐが、彼女の横にいるおじさまからすぐにツッコミが入った。

「それだと、ドレスの準備が間に合わないんじゃないか?当然オーダーメイドだろう?瑠璃ちゃんにとっては一生に一度の晴れ舞台だ。抜かりがあっては困る」

「それもそうねえ。じゃあ、早くても秋かしら?秋ならいい晴天に恵まれそうだわ」

私の意志を無視して進められる婚約者のご両親のその会話に頭痛がしてくる。


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