婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
力なく笑うと、PCの電源を落として、机を片付けた。
玲人君は今日は会食はないけど、八時まで会議や打ち合わせの予定がびっしり入っている。
彼が帰宅するのは九時近くだな、きっと。
「お先に失礼します」
バッグを肩にかけると、みんなに挨拶して秘書室を後にした。
ひとりトボトボ歩いて会社を出る。
いつもなら秘書室を出てすぐにタクシーを呼ぶのだが、今日は歩いて帰りたかった。
頭の中はぐちゃぐちゃ。
拓海さんの言葉が何度も頭の中でリピートされる。
『お前、俺の愛人になれ』
愛人ってことは、拓海さんと肉体関係を持つということ。
玲人君以外の人と肌を重ねるなんて出来る?
やっぱり……出来ないよ。
拓海さんの提案を受けようと決めたはずなのに、その決意が揺らぐ。
父が今どうしているのか知りたくて、母のスマホに電話をかけるも、応答がない。
玲人君は今日は会食はないけど、八時まで会議や打ち合わせの予定がびっしり入っている。
彼が帰宅するのは九時近くだな、きっと。
「お先に失礼します」
バッグを肩にかけると、みんなに挨拶して秘書室を後にした。
ひとりトボトボ歩いて会社を出る。
いつもなら秘書室を出てすぐにタクシーを呼ぶのだが、今日は歩いて帰りたかった。
頭の中はぐちゃぐちゃ。
拓海さんの言葉が何度も頭の中でリピートされる。
『お前、俺の愛人になれ』
愛人ってことは、拓海さんと肉体関係を持つということ。
玲人君以外の人と肌を重ねるなんて出来る?
やっぱり……出来ないよ。
拓海さんの提案を受けようと決めたはずなのに、その決意が揺らぐ。
父が今どうしているのか知りたくて、母のスマホに電話をかけるも、応答がない。