婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました


ピピッという体温計の音で目が覚めた。

体温計の数値を見る玲人君と目が合う。

「三十七度五分。今日は会社休むんだね」

ポンと私の頭に手を置く彼。

体温計を見て思い出した。

昨夜、お風呂から上がって髪の毛を乾かした後、発熱したんだよね。

少しは身体強くなったかと思ったのに、雨の中を歩いたくらいで熱出すなんて、ホント嫌になる。

最後まで彼に面倒をかけてしまった。

「たいしたことないよ。このくらい」

熱を出すのは慣れている。

チラリと目覚まし時計を見れば午前六時過ぎ。

起き上がろうとするが、彼に止められた。

「ダメだよ。これからもっと熱が上がるかもしれない。その身体で出勤して仕事でミスされても困る」

厳しい顔で指摘され、反論出来なくなる。

元気な時でも失敗する時があるのだ。

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