婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
真白な天井を見上げながら微笑む。

あの夜空に満天の星。

エメラルドブルーの海。

全てが美しかった。

「『いいね』じゃなくて、行くんだよ。頑張れ」

玲人君が私の頰に両手を添え、私と目を合わせる。

「うん」

もう一緒に行けないとわかっているのに、私は嘘をついた。

胸がズキっと痛む。

私はなんて悪い女なんだろう。

もっと痛めばいい。もっと私を苦しめて。

それは私の罪の重さだ。

「……瑠璃?何考えてる?」

玲人君が、何かを探るようにじっと私を見つめている。
……いけない。

彼に気づかれてしまう。

何も考えるな。

「……海亀に餌やりたいなって思って」

ヘヘッと笑って誤魔化す。

また、嘘をついちゃった。
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