婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
涙が止めどなく溢れ出し、ポタポタと落ちて便箋を濡らす。
何度も書いてはボツにし、五枚目でようやく書き終わるも、その文面は短く他人行儀。
【玲人君へ
ごめんなさい。婚約を解消します。今までありがとうございました。瑠璃】
でも、これでいい。
理由や説明を書けば、どこかに私の感情が出てしまう。
私の彼への感情は凍らせなければいけない。
未練を残すな。
彼を心配させてしまう。
ペンを置くと、テーブルに置いておいたスマホがブルブルと震えた。
画面の表示を見れば、それは拓海さんの携帯の番号だった。
スマホを手に取り、緊張しながら通話ボタンをタッチする。
【俺だ。今日会う場所だが、赤坂の九条ホテルだ。中にあるイタリアンレストランを予約したから七時に来い】
何度も書いてはボツにし、五枚目でようやく書き終わるも、その文面は短く他人行儀。
【玲人君へ
ごめんなさい。婚約を解消します。今までありがとうございました。瑠璃】
でも、これでいい。
理由や説明を書けば、どこかに私の感情が出てしまう。
私の彼への感情は凍らせなければいけない。
未練を残すな。
彼を心配させてしまう。
ペンを置くと、テーブルに置いておいたスマホがブルブルと震えた。
画面の表示を見れば、それは拓海さんの携帯の番号だった。
スマホを手に取り、緊張しながら通話ボタンをタッチする。
【俺だ。今日会う場所だが、赤坂の九条ホテルだ。中にあるイタリアンレストランを予約したから七時に来い】